電気自動車とCEATEC
過去に友人たちと古いバイクを電動バイクに作り替えたりしていたこともある乗り物担当の増谷です。
そんなこともあって、電気自動車を始めとする電気で動く乗り物はとても気になる存在。
先日このブログで電気自動車がデジモノの電源になる新機能について紹介しましたが、その後また新しい動きがありましたので紹介したいと思います。
まず、三菱自動車が『i-MiEV』の外部給電装置を使ったデモンストレーションを行ないました。
これは『i-MiEV』に搭載されているバッテリーから、電源を供給してアウトドアで料理をするというもの。
当日は台風が近づいていたこともあり、屋内でのデモンストレーションとなりましたが、電気調理器やオーブンなどの電源は全て『i-MiEV』から給電されていました。
▼完成した料理と『i-MiEV』。鮭のソテーとかチーズフォンデュなど、アウトドア(実際には屋内でしたが)料理とは思えない完成度。電気自動車の電源を使うことでこんなことも可能になります。
▼今回のデモンストレーションのカギとなったのが、このオレンジのボックス。『i-MiEV』のバッテリーから供給される直流電源を交流に変換して家電などでも使えるようにする装置です。三菱電機では、この装置を今年度内に発売したいと発表しています。
今年は震災やそれにともなう計画点電などもあり、いざという時に使える電源に注目が集まっていますが、この装置が実用化されることで電気自動車も非常用の電源として使えるようになるということです。
この装置は、先日開催されていた「CEATEC JAPAN 2011」でも展示されていました。
▼この日、動かされていたのはゲーム機の「太鼓の達人」。みなさん、普通にゲームを楽しんでいました。
「CEATEC」には日産自動車も電気自動車『リーフ』のバッテリーを家庭用電源として活用するシステムを展示していました。
こちらはさらに大がかりなシステムで、家と直接つないで、家全体の電源をまかなうというもの。
『リーフ』のバッテリーは大容量なので、一般家庭であれば約2日分の消費電力をまかなうことができるとのこと。
このシステムが実現すれば、停電などの際にも家では普通に電気を使うことができます。
▼『リーフ』の左に見える「NISSAN」の文字が入っている装置が、『リーフ』の急速充電と、『リーフ』から家への給電機能を兼ねたシステムです。
▼上に見えるのが『リーフ』から給電される“家”です。普段は太陽光発電と家庭用燃料電池で電力をまかなうシステムとなっており、余った電力を『リーフ』に蓄えておいて夜間などに使うことで「CO2排出ゼロ」を実現できるとか。
ここまでのシステムがなくても、電力需要の少ない夜間に電気自動車に充電しておき、電力消費量がピークを迎える昼間に蓄えた電気を使うようにすれば、ピークの消費電力を抑え、電力の平準化に貢献することが可能となります。
電力を消費するだけの存在だと思われていた電気自動車が、ピーク電力の抑制にも役立てるというのは乗り物担当としてもうれしいニュースです。
そのほかにも、今回の「CEATEC」では電気自動車関連の展示が充実していて、個人的には非常に興味深かったですし、多くの人の注目を集めていました。
▼ソーラーパネルを装着した非常時用(?)の『セグウェイ』も展示されていました。
▼こちらはヤマハ発動機が販売している電動バイクの『EC-03』。震災後は問い合わせが増えているとのことでした。
乗り物も電気で動くようになることで、着実に「デジモノ」の仲間入りを果たしていることを如実に感じた「CEATEC」でした。
今後も、こういう電気で動く乗り物関連のニュースがあれば、このブログや本誌で紹介していきたいと思います。