“東京おもちゃショー2012”独断と偏見で選ぶ絶妙玩具10
毎月、旬な玩具を紹介する「電気玩具箱」を担当している益子です。
というわけで、“東京おもちゃショー2012”へ行ってきました。
6月14日~17日(一般公開は16日~17日)に東京ビッグサイトで開催されている日本最大の玩具の祭典。
膨大な数の新製品が展示されている中から、絶妙な面白さを持っていた製品をご紹介します。
絶大な人気を誇るあの手が伸びる海賊のキャラクター玩具や、スーパーフォルムとギミックで超合金化されたあのロボットといった王道な玩具は、本誌『デジモノステーション』で紹介する機会があると思うのでここでは紹介しません。
斬新、異色、変化球、ニヤリ、そんな言葉が当てはまるアイテムをセレクトしました。
絶叫!おばけ屋敷ゲーム
バンダイ/メーカー希望小売価格:3780円/7月発売予定
まずは一番マトモなものから。
昔発売された人気ボードゲームが、スマホのアプリと連動して復活。
絵や音、タッチ識別チップを使用したおばけとのバトルといった数々のスマホアプリならではのイベントが用意された、「スマホ×玩具融合元年」(勝手に命名)の代表的玩具。
6月25日発売の『デジモノステーション』玩具紹介ページでも紹介している注目作です。
この製品を手がけたのは、大ヒットした異色玩具(失礼)『∞プチプチ』を作ったバンダイの名物社員、というのも付け加えておきます。
チャックック
タカラトミー/メーカー希望小売価格:2499円/11月発売予定
一見するとかわいいぬいぐるみ。
音声内蔵がウリなのですが、チャックになっている口を閉じ開きするとしゃべりだすという変化球具合。
閉じと開きだけでなく、「半開き」でもリアクションが。
開発の方はチャックの触感が好きなのでしょう。
いや、その触感はみんな好きです(極論)。ビバ、YKK。
そんな嗜好に特化して製品化にこぎつけた発想力と行動力がすばらしいと思います。
ケロミン(動画内左)
トゥロッシュ/メーカー希望小売価格:4万9875円/発売中
コケロミン(動画内右)
トゥロッシュ/メーカー希望小売価格:9980円/発売中
こちらもしゃべるぬいぐるみ。
いや、ぬいぐるみ型電子楽器です。
ぬいぐるみに手を入れて、口の開け方によって音の高さを変え、電子音を奏でることができます。
上記の動画を見ていただきたいのですが、うーむ、なんだかかわいい。
カエルのデザインがあまりデフォルメされてないところも刺さります。
メーカーの方のよると、この秋に米・ボストンで開催される“イグ・ノーベル賞”の授賞式で、このケロミンでの演奏が決まっているそうです。
『ケロミン』は数年前から発売されているようですが、今年、ブレイクの予感が……。
藤子・F・不二雄キャラクターズ
パスケース 勉三さん
タカラトミーアーツ/メーカー希望小売価格:1300円/7月発売予定
そして、これもぬいぐるみ……ではなく、パスケースです。
しかも、べ……勉三さん(from キテレツ大百科)。
もちろん、コロ助やパーマンといった王道のキャラクターもパスケースとなっているのですが、なぜ勉三さん……。
いや、このチョイスにとてもシビれています。
もし駅の改札口でこれをかざしている男子がいたらスグ友達になれそうだし、女子だったら運命の恋を感じることでしょう。
藤子・F・不二雄キャラクターズ
なっちゃおブランケット パーマン1号
タカラトミーアーツ/メーカー希望小売価格:3045円/10月発売予定
藤子・F・不二雄ものではこんなものもありました。
パーマン1号のかぶれるブランケット。
これを身に付けている子供がいたらかわいくてたまらないですし、女子だったら運命の……(以下略)。パワッチ!
車両内装模型 24系25形寝台客車
トミーテック/価格未定/発売日未定
変化球的といいましょうか、スーパーマニアックといいましょうか。
鉄道マニアも納得のクオリティでおなじみの「トミーテック」のブースにひっそりと、だけど力強く展示されていたこの製品。
自分は鉄分が低いので「欲しい!」とはならなかったのですが、その筋の人には即買いアイテムであることはよくわかります。
正式発売が決まったら記事で紹介してみたいのですが、編集会議で編集長の同意を得られるか自信がありません。
地獄パズル 純白地獄
地獄パズル 暗黒地獄
ビバリー/メーカー希望小売価格:各1890円/7月発売予定
もうひとつスーパーマニアックなアイテムを。
パズルです。
しかも無地。
パズル界に詳しくないのですが、これは相当な難易度がゆえにパズルファンにとっては心踊るのものなのでしょう。
先日見た『大改造!!劇的ビフォーアフター』に、パズルが趣味のおばあちゃんが出ていて、パズルに集中にすると夜更かししちゃうというエピソードがあったのですが、そのおばあちゃんにこのパズルを与えてしまったら、まさにタイトルの通り……(以下略)。
チロルジャン
メガハウス/メーカー希望小売価格:3465円/9月発売予定
変わり種なパーティーゲームもありました。
中がわからない箱からチロルチョコを取り出して、『ドンジャラ』的に組み合わせて役を作っていきます。
お菓子の定番となったチロルチョコゆえに、大人も子供も楽しめます。
バレンタインでもらった義理チョコの数々を使うにはもってこいでしょう。
爆爆バルーン
ハピネット/メーカー希望小売価格:1764円/8月発売予定
今回見たパーティーゲームの中で、個人的に、かつ地味に心に響いたのがこちら。
風船にメモリの付いた9本のスティックが刺さっており、順番にサイコロを振って出た目の数だけ風船に押し込んでいく。
単純なルールなのですが、風船がリアルに破裂するので盛り上がること間違いなし。
こういった単純だけど誰も思いつかないことを製品化していく玩具メーカー開発者のクリエイティビティがとても好きです。
おかしなポッキー くるくるデコパーティー
タカラトミーアーツメーカー希望小売価格:1890円/12月発売予定
玩具メーカー開発者特有のクリエイティビティといえばこの製品も。
超定番お菓子・ポッキーをペンチョコでデコレート。
既存の食材にちょい足ししてさらなる価値を生み出すのが流行りですが、玩具的な演出で女の子の「デコ欲」と「創作意欲」を巧みに刺激しています。
この製品を企画した人(女性)は、『スマート飯』という、固定概念を絶妙に逸脱したアイテムも作っています(9月発売予定)。
展示会の度に変なアイテムをデモンストレーションしていて、毎回楽しみにしています。
今、タカラトミーアーツには、いずれ大ヒットアイテムを作り出す天才がいるのです。
以上。
幼い頃に父親に連れてってもらった“東京おもちゃショー”。
どこでどうなってこんな絶妙玩具が好きになったのか自分でもわかりませんが、膨大な数の玩具に囲まれるのはいくつになっても幸せなんだなと感じさせてくれるイベントでした。