ベン・アフレックの仕掛けた2つの復活劇―映画『アルゴ』
すっかり寒くなりましたね。映画担当の鈴木です。
先月&今月の劇場話題作! と言えば、映画『アルゴ』。
決して“ドンパチもの”ではないのに
こんなに手に汗握った映画は久しぶり。
「劇場で観てよかった~」と思った作品です。
ご存知の通り、 実際に1979年にイランで起きた
アメリカ大使館人質事件を題材にしたサスペンスドラマ。
反米感情が吹き荒れるイランから、アメリカ大使館員6人を救出するため、
CIAのトニー・メンデス(ベン・アフレック)が計画したのは、
架空のSF映画『アルゴ』のでっちあげプロジェクトだったーー、というお話。
大胆不敵というか、素人目に見ても「ちょっと雑すぎやしない?!」
という計画にハラハラドキドキ。
実際に途中でトップに見放されそうになったりする。(ひどいよ……)
という、実話を元にした“人質救出大作戦!”なんですが、
この映画でもっとも“救出されて助かった人”と言えば、他でもない、
監督&主演のベン・アフレック自身ではないか、という件について。
ベンアフと言えば、歌手のジェニファー・ロペスと恋仲になり
劇中でも恋人同士を演じた映画『ジーリ』(2003)で観客をドン引きさせ、
最低作品賞、最低男優賞、最低スクリーンカップル賞など7部門を受賞するという不名誉な結果に。
かくしてベンアフは、“ベニファー”と呼ばれ、俳優としての株まで急降下。
(いますよね、本人たちは幸せそうなのに、あまり周囲には歓迎されないカップル……)
その後、アル中になっちゃって心配されていたから、
劇中の主人公と重ねて観た人も多かったはず。
実際に役者としても、いい味出してるんですよ。
『アルゴ』は批評家の評価も高く、興行面でも大成功したと言えるし、
アカデミー賞の有力候補という声も多い。
やっと俳優として返り咲き、監督としての手腕も認められたと思うと感慨深い。
……という、“リアル・ハリウッド復活劇”を見せてくれた
ベンアフの今後に期待大です。
と言っても、ジェニファー・ロペスのPV「Jenny From The Block」
での2人は、クールでいい感じでしたけどね。
監督は、『アイ・アム・レジェンド』、
『ハンガーゲーム2』のフランシス・ローレンス。さすがです。
そうそう、『アルゴ』は、スターウォーズファンにも、ぐっとくる小ネタも満載でしたよ。
ラストの空港シーンでは、トニー・メンデスさんご一家が特別出演されているとか。
これから観に行く方は、ぜひ探してみてはいかがでしょう。
『アルゴ』(公開中)
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