「Nikon 1」ユーザーから見た『EOS M』
新人、もとい「Nikon 1」ユーザーの加藤です。
最新号2月号(12月25日発売!)のデジカメ特集をお手伝いしたところ、キヤノンのミラーレスカメラ『EOS M』に触れる機会がありました。ニコン派としては無視できない存在です。「Nikon 1」ユーザーの立場から、両者を比較してみました。
まずはサイズ感。
薄型パンケーキレンズ『EF-M 22mm F2 STM』を組み合わせると、愛機『Nikon 1 V1』とほとんど変わらないです。「このサイズにAPS-Cセンサーを詰め込んでくるとは、さすがキヤノン」というのが正直な感想です。
▲正面から見たところ。カメラ本体の幅と高さはほぼ同じ。電子ビューファインダーがあるぶん、『Nikon 1 V1』のほうがちょっと出っ張っているくらい。
▲横から見たところ。薄型パンケーキレンズを組み合わせた限りでは、両者の奥行きにも大差はありません。しかし『EOS M』に標準ズームレンズを付けたら、このコンパクトさが損なわれます……。
次に写りもチェック。
最初からわかりきっていたことですが、『EOS M』はよくボケますね〜。これだけでもうクラクラきてしまいます。ボケ量が全てではありませんが、わざわざデジタル一眼を選ぶわけですから、このボケ量は無視できません!
▲『EOS M』+『EF-M 22mm F2 STM』の開放(F2)で撮影。このレンズ、35mmフイルム換算で35mm相当になります。広角でもこれだけ背景がキレイにボケるんだからAPS-Cの威力を思い知らされます。点光源が丸く、そして柔らかくボケているのがうらやましい……。
▲愛機『Nikon 1 V1』でも同じ画角&開放(F3.5)で撮影。『EOS M』と比べるとボケ具合が物足りないです。逆に画面全体にピントを合わせたい時は、『Nikon 1 V1』のほうが有利なんですよ、と強がりを言ってみる。
最後に操作感。
『EOS M』の操作系は、液晶モニタのタッチ操作が前提となっているので好みが分かれるところ。スマートフォンからのステップアップ組にはなじみやすいユーザーインターフェースですが、ファインダーを覗き込みながら露出やらホワイトバランスやらを操作したい上級者にはまどろっこしさを感じるかも知れません。
AF速度も少なからずストレスを感じました。ちょっと暗がりになるとなかなかピントを合わせてくれません。ミラーレスカメラ最速のAFを誇る「Nikon 1」を使い慣れているせいか余計にそう感じました。
それと電子ビューファインダーがないのは個人的には超マイナスポイント。炎天下で液晶モニタを見ても何が写っているか分かりづらいですし、ファインダーを覗き込む“没入感”こそまた写真撮影の楽しさの1つだと思っているので……。
サイズや写りは文句なし。AF性能と操作系の改善、電子ビューファインダーが搭載されるようになったら、『EOS M』に乗り換えるべきかどうか本気で悩むことになるでしょうね~。
その時が来るまでは、まだまだ「Nikon 1」を使い倒し続けますよ!