『Forest Notes』って何?
こんにちはー。オーディオ担当の玉造です。
最近のオーディオ業界と言ったら「無線化」、「ハイレゾ」の2つのキーワードが飛び交っていますが、今回は「無線化」の方のお話を。
最近の新製品スピーカー、コンポがBluetoothないしはAirPlayなどの無線伝送技術を搭載していることは、ほぼマストと言っていいほどになっています。
さらに言えば各メーカーとも音質向上を前提に、既に去年からNFCなど少しずつ無線技術が進歩して多様化が進んでいますが、一体今年はどんな進歩に向かうのか?
そんな中、JVC(ビクター)からこれまでにないワイヤレススピーカーが発表されました。
(右)
JVC(ビクター)『YG-FA30HV』
価格:オープン 実勢価格:31万5000円
(左)
JVC(ビクター)『YG-FA2HV』
価格:オープン 実勢価格:5万9800円
……なんだ、コレは……??
初見は製品の発表会だったのですが、まさにこのままの感想でした。
圧倒的なまでに「木が四角く組まれた立方体の何か」としか言えない見た目ですが、これBluetoothスピーカーです。
内部にエキサイターを搭載することで製品全体を振動させて音を発生させる仕組みになっています。
つまり、ある意味むき出しのスピーカーユニットそのものと言える。
いやーこの外観でワイヤレススピーカーだとはビックリですよね。
発表会では、製品イメージに合わせて森林をイメージしたような会場に、この製品が陳列されていて発表が始まるまでは会場に来ている全員がキョトンとしてしまいました。
こんな感じ。
この製品の一番のポイントと言えるインパクトある外観は、高い木工技術に定評のある飛騨高山の家電メーカー「オークヴィレッジ」が製作を担当。木材選びから仕上げまで全て職人による手作りです。
では天然素材に伝統工芸がふんだんに用いられたこのスピーカーで、何を聞くのか?
気付いてる人もいるかもしれませんが、本機は音楽再生向きの設計はされていません。
実はここがもう一つの大きなポイント。
発表会当日は製品発表と同時に、森林環境音を配信する「“Forest Notes”ライブ配信サービス」の概要も説明されました。
本機はこの配信サービスを再生するためのワイヤレススピーカーなのです。
この配信サービスの内容がとても斬新で、岐阜県・飛騨高山と宮崎県・諸塚村の森林にマイクを設置し、24時間集音&録音し続けてリアルタイムで「森の音」を堪能できるというもの。
家の中で春夏秋冬いつでも、遠方で実際に鳴っているキレイな自然音に浸ることができる。そんな素敵な配信サービスなのです。
サービス自体はPC、スマホ、タブレットなどからBluetoothで音を飛ばすのでややこしい設定などはありません。
発表会で少し音を聴いた程度でしたが、音がスピーカー全体から再生されていることも関係していると思いますが空間全体に音が広がっていくようで、森林をイメージする表現力が十分にありました。
このように「Forest Notes」シリーズは、製品と配信サービスが一体になった、空間演出も考慮した非常にコンセプチュアルなワイヤレススピーカーです。
あくまで音楽再生機器としての進化がメインだったワイヤレススピーカーが、今後は本機のようにこれまでとはひと味違う方法論で、家のリビングやパーティー会場などでより具体的なイメージで雰囲気を演出してくれる。
そんな可能性を考えていたら、妄想でこんなことを思いました!
「1ジャンル/シチュエーションに特化した配信サービスと一体で楽しむワイヤレススピーカーが増えて欲しい!」
権利関係など無視した妄想ですが、ライブ音源限定の配信サービスに合わせた音作りのワイヤレススピーカーとかね!
うーん、オーディオメーカーさん。音楽レーベルさんいかがですか?
是非前向きなご検討を~!