カーナビもクラウドの時代に突入
すっかり暖かくなってドライブ日和が続いていますね。乗り物担当の増谷です。
GW前後のこの時期は、毎年カーナビの新製品が発表されるシーズンなのですが、今年は例年にも増して注目度の高い発表が続いています。
まず、カロッツェリアのフラッグシップモデル「サイバーナビ」。
実写映像に情報を重ねてナビに表示する「ARスカウターモード」や、ヘッドアップディスプレイ(HUD)を使って前方の風景に情報を重ねる「AR HUD」など革新的な機能で毎年驚かされるモデルですが、今年もやってくれました。
AR表示を実現するために、前方をカメラで撮影しているのですが、その撮影画像を同社で運営する「スマートループ」のサーバにアップロード。
それを「サイバーナビ」搭載車同士で共有するという「スマートループ アイ」というサービスを発表しています。
渋滞しやすいポイントや、交通規制がされている箇所などの実写映像を見ることができるこの機能。見た目の派手さこそありませんが、クラウドの「スマートループ」とARの連携という新しい段階にカーナビのサービスも入ったということを感じます。
サービスの詳細などについては、5月25日発売号の『デジモノステーション』で紹介していますので、発売をお待ちください。
▼「スマートループ アイ」では、こんな感じでほかの新型サイバーナビ(AR用のカメラ搭載モデル)搭載車が撮影した画像を見ることができます。
もう1つ注目なのは、クラリオンが発表したサービス。
同社は「Smart Access」というクラウドサービスを既に展開していますが、その「Smart Acces」とグーグルの連携が発表されました。
利用可能になるのは音声認識技術の「Google Voice」とスポット情報を検索できる「Google Places」。
こうした技術を活用することで、例えばカーナビに向かって「お腹がすいた」と話すだけで周辺の食べ物屋が表示されるなどの使い方が可能になります。
しかも、グーグルの技術を用いることで、PCやスマートフォンなどと同じように使うことが可能になります。
▼発表会の場で握手をするクラリオンの泉龍彦社長(右)と、グーグルのアジア太平洋GEOセールスディレクターのリチャード・サー氏。
▼グーグルのサービスに対応したカーナビは年内に登場予定。発表会では、デモ機が展示されていました。
これまでのカーナビは、それぞれのメーカーが用意した地図やデータを使う、ある意味閉じた箱でしたが(一部、スマホなどを使って外部データを検索できる機能はありましたが)、クラウドとつながることで、グーグルなどの大きなデータを活用することが可能になります。
しかも、「Google Voice」は世界47カ国で提供されていますから、海外での利用も可能。
カーナビの海外展開の際に、大きな力となりそうです。
確実に未来への新しいトビラを開けた今期のカーナビ。
5月25日発売の『デジモノステーション』では特集を組んで紹介していますので、お楽しみに!