怒濤の韓国超大作映画!!『10人の泥棒たち』
梅雨らしくなりましたね、映画担当の鈴木です。
今月はビバ☆韓国映画祭!とも言えるほどに韓国発の話題作の劇場公開が目白押しなのですが、
その中でもおすすめしたいのが、超娯楽大作『10人の泥棒たち』です。
「韓流映画って、恋愛&お涙頂戴モノでしょ?」とアレルギー反応を起こしちゃう方もいると思いますが、
私が言うまでもなく、アクションや戦争映画などハード系韓国映画のクオリティって、びっくりするくらい高いんですよね…
……と、韓国映画の凄さに開眼した映画と言えば、
分断国家をテーマにした『シュリ』(99)、『JSA』(2000)、そして恋愛映画『猟奇的な彼女』(01)。
この3作品を日本に広めた仕掛け人である(株)ライブ・ビューイング・ジャパンの代表取締役会長・大里洋吉氏が見初めて配給する新作、
かつ、韓国映画史上最高の観客動員数を記録したらしいと聞いた私は、
「絶っ対に観なくては!」と勢い勇んで行ってきました、TOHOシネマズ六本木へ。
そこはかとなく立ち上る悪人臭。
舞台はマカオのカジノ。プロの凄腕の窃盗人が集まり、世界に一つしかない幻のダイヤ強奪を狙うクライム・アクション。
面白いのは窃盗団が、韓国と中国から寄せ集められた混合チームで、“仲良しグループ”じゃないところ。
仲間同士のすれ違いや大人な恋愛のもつれが、完璧だった計画を狂わせ、疑心暗鬼が広がって、それぞれが出し抜きをはかり始める。
観客は、「最後に笑う泥棒は誰か?」という頭脳戦を突きつけられます。
最後の最後まで全く結末が読めないほど入念に練られたシナリオとトリック、複数の人間関係が入り乱れるので、
週末朝イチの寝ぼけた状態で観ると若干混乱しますが(→私ですが…)
俳優の魅力は爆発だし、華麗な盗みのテクニックの数々、
ビルの壁面を駆け抜ける生身のワイヤーアクションの凄さで、一気に引きずり込まれます!
なーんと言っても、『猟奇的な彼女』のヒロイン、チョン・ジヒョンがカッコ可愛いったら!!
冒頭から「あらあら、ステキな大人の女性になったのね~」と"親戚のおばさん目線"で観ていると、
艶やか&鮮やかなワイヤーアクションを披露、婚約者が所有する博物館級の美術品をあっさり盗む、いい仕事を魅せてくれる。
際どいお色気とお茶目なコメディエンヌな魅力で、殿方は間違いなくノックアウトされるでしょう。
そして、その婚約者役が名作『高地戦』(2011)で主演を務めてるシン・ハギュン。
何等身か解らないほどのスタイルの良さ。
他にもキム・ユンソク(『チェイサー』)はなるほど安定の演技力で
で本心がわからない首謀者の韓国人マカオ・パクを熱演、
過去にいろいろあったらしい相手役ペプシをキム・ヘス(『風林高』)美しく演じてます。
ペプシっていう名前はともかく、あんな救助のされ方したら、そりゃ落ちるだろ…
典型的な韓国のおばちゃん(キム・ヘスク)が見せる可笑しくも切ない衝撃の展開は息をのんだし、
韓国&中国勢の勢いに、すっかり押されました。
日本映画も頑張ってほしいわ。がんばれニッポン☆
そうそう、映画ライター仲間の話によると、
吹き替え版がよかったという人が多いので、比べて観ても面白いかも。
なんといっても、“7色の声を持つ男”山寺宏一さんから
アイドル的人気の 平野綾さんまでという、声優ドリームチーム状態です。
全国2週間限定公開なので、お早めにどうぞ!
『10人の泥棒たち』
TOHOシネマズ渋谷ほか全国上映中。
監督:チェ・ドンフン
出演:キム・ユンソク、キム・ヘス、イ・ジョンジェ、チョン・ジヒョン ほか
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