ビデオカメラ特集、制作の裏側を公開!
こんにちは、ビデオカメラ担当の田中です。
7月25日発売のデジモノステーション本誌では「安さの価値は!?」と銘打って、
比較的求めやすい価格でありながら、機能的には必要十分な製品に注目した特集を掲載しています。
僕が担当しているビデオカメラでは、6~8万円台のミドルクラス製品をピックアップし、
上位機種と「機能と金額」の比較を行ない、どれが買い得モデルなのかを提案しました。
今回の記事を作成するためにメーカーさんから製品をお借りしたのですが、それが全部で8機種。
ふと思いついたのが、車のダッシュボードにビデオカメラを並べる方法。
これならば同じシーンが撮れて、画質や手ぶれ補正などの機能比較もできる。
というわけで休日に近所の溜め池がある公園まで撮影を兼ねてドライブしました。
もちろんダッシュボードにはビデオカメラを並べ、落ちないように固定して。
通りすがりの人には変な目で見られましたよ……。
車にぬいぐるみを並べているドライバーはいても、
ビデオカメラを並べているドライバーはデジモノ編集部員くらいじゃないでしょうか。
今回のブログでは、本誌で記載しきれなかったことを書こうと思います。
検証したビデオカメラは下記の8機種。
ソニー HDR-CX700V、HDR-CX560V
ビクター GZ-HM880、GZ-HM880
キヤノン iVIS HF G10、iVIS HF M41
パナソニック HDC-TM85、HDC-TM45
撮影したシチュエーションは次の通り。
(1)車窓から(夜)
(2)車窓から(昼・晴れ)
(3)溜め池のある公園(昼・晴れ)
まず画質に大きな差が出たのが(1)夜間撮影。
車のライトや街頭はあっても、やはり撮影するには暗い状況です。
最も明るかったのは撮像素子にHD CMOS PROを搭載したキヤノンの2機種。
ここは定評通り。
逆に最も暗かったのはソニー。
ただしこれは暗くて見えないとか、不満を感じるというのではなく、
肉眼で見るのに近い、最もリアリティーのある画質ということです。
実際、他機種に比べ画質のザラつきも少ないです。
変わって(2)昼間の撮影。
夜に比べれば画質の差は出ませんが、それでもメーカーごとに特徴があります。
ソニーは現実の色味に最も近く、精密な描写。
キヤノンは全体的に明るく白っぽい感じ。
パナソニックは緑色が鮮やかに出ていたのが印象的でした。
ビクターは全体的にやや黄色がかっているいますが、平均的にキレイです。
こうして比べてみると、画質はメーカーによって個性があることが分かります。
ただ単に画質がキレイと言っても、ユーザーの好みや使用条件下によって、求めるものが変わってきそうですね。
続いて(3)公園での撮影。
ここでは動きのあるものやズームについて検証しました。
池には鯉が大量にいるので、水面でバシャバシャなっている様子を撮影。
また離れた場所からベンチに腰をかけている人や、ジョギングをしている人もチェック。
ズームの倍率や顔が認識できるかを検証しました。
ズーム倍率の高い方が遠くまで撮影できるわけですが、
実は倍率が高ければ良いのかと言うと、一概にそうとは言えないのです。
それに拡大しすぎるとブレも大きくなりますし、個人的にはあまりおすすめしません。
写真にも言えることですが、良い画を撮ろうと思ったら自分の足で動いて、ポジションを探すしかありません。
あまりズームに頼らず移動することで、より良いアングルが見つかったりします。
ズームに関しては倍率ばかりに注目がいきますが、僕が特に関心したのがズームの「速さ」。
ソニーの2機種は圧倒的でした。
例えば飛んでいる鳥を撮影するには、引いた画から鳥を見つけて、そこを中心に向かって拡大します。
この時にズームのスピードが遅いと、画面から鳥が逃げてしまって見失います。
また一度引いて鳥を見つけるところからやり直しです。
『HDR-CX560V』だと鳥を見つけてズームするまで早いので、画面から逃がさないのです。
また拡大したあともブレが少ないです。
この優れた手ぶれ補正は、ガタガタ揺れるダッシュボードの上でも発揮されていました。
最後に自室で蛍光灯下の画質や、音楽をかけて音質のチェックをしたあと、
自分で撮影した映像を日曜日の夜に確認しました。
でもこれ、仮に1つにつき20分の映像だったとしても8機種あるので、
合計4時間分になってしまうんですよね。
基本的に検証で必要な映像を撮っているので、無闇に早送りもできないし。
観終わった頃には朝の4時になってました。月曜です。仕事です。
ビデオカメラ道を極めるには、まだまだ道のりは遠いようです。