パソコン作りは人力ですっ!
こんにちは。パソコン担当の村田です。
NEC米沢事業所へのプレスツアーに参加してきました。
そびえたつ米沢事業所。ここは開発拠点で、主に「LaVie」や「VALUESTAR」など、パソコンを開発しています。ちなみにNECのパソコン事業は、レノボとの提携で7月に「NECパーソナルコンピュータ」として生まれ変わったばかり。
実は、パソコンって人が組み立てているんです。機械じゃないんです。人力です。
工場というと、流れ作業的なイメージがありますが、パソコンは一筋縄ではいかない。
なぜかというと、
「BTO」
があるから。
※BTO(Build to Order)…ユーザーが、パソコンのパーツを自由に組み合わせられる購入方法。Webなどで構成パーツをカスタマイズしてポチッと注文、などです。
米沢事業所に、BTO式で注文されるパソコンは1日約4000台(全体の半分)。出荷は1日15回にも及びます。BTOの細かなパーツ違い製品への対応に加え、土日の販売前の木曜日に注文が集中するなど、日ごとの注文数に大きな変動があるため、工場ではトヨタ生産方式として知られる「カンバン方式」を採用しているとのこと。
※カンバン方式…「カンバン(看板)」と呼ばれるカードを使った、在庫の管理方式。使用した分だけ部品を補充し、在庫を必要最小限に抑えることができます。
▲パソコンは、人が組み立てるのです! 1ラインに3人や7人など、生産量に応じたフォーメーションがあります。効率を考え、あまり体を動かさずとも良いように、パーツは肩の高さに揃えて置かれています。
▲この工程はこうしたほうが効率が良い、という話をするためのボード
パソコンのパーツは約1000個ほど。湿度も管理し、必要な時には噴霧!
さて、今回のプレスツアーでは、開発中の製品のお披露目がありました!
早速チェーック!!
●視線でカーソルを操作できるパソコン
網膜に赤外線を反射させ、マウスを使わなくても、視線の移動だけでカーソルを動かせるパソコン。システムはディスプレイの下に設置されてます。
デモでは、画面の右側を見れば写真データがスクロールし、注視すればデータを選択、拡大して表示する、などの操作ができました。使う前に、キャリブレーション(位置の設定)を行なうと、かなり高い精度で動きます。メール打ちながら、デスクトップに置いたファイルを見てデータを開くとか、うーん、便利! 色々なことに使えそうです。早く実用化して欲しいですね。
●タッチパネルの触感が違う「大画面ハプティクス(振動)」技術
同じパネル内でも、利用シーンに応じて振動するタッチパネル。例えば、ペイントソフトで消しゴムと鉛筆を使う、という場合に、鉛筆は細かい振動、消しゴムはゆっくりした振動、など、使用感を感じさせる振動が行なえます。UIやゲームなどで、より楽しいタッチ体験を提供。細かい設定もできます。
●人感センサーで自動的に画面をオン/オフ
近接センサーを用い、約1秒でのディスプレイオン/オフが可能。人物検出の位置情報の調節や、服の柄による非検出など、実用レベルまでこぎつけるまでに大変だったそうです。法人向けデスクトップ・ノートPCには既に搭載済み。コンシューマ向けにも搭載しないかな~。
●スクラッチリペア
特殊なフィルムで、細かい傷がすぐに回復する技術。5年前の開発時はスプレー式だったものの、コスト高や異物混入などの問題があったスクラッチリペアですが、これをフィルム式にすることで、光沢のあるなめらかな質感やデザイン的な塗装が可能になりました。今のNECパソコンに搭載されている技術ですが、なんと、次世代スクラッチリペアを開発中だとか。
そして、大注目!
●厚さ9.9mm、重さ350gの、7型モバイル「MGX」
ヒンジは360度回転。現時点では、OSにAndroidが搭載されています。
大きさは手のひらより少し大きい程度で、持った感じも非常に軽い! 無線LANとHSUPA
を内蔵するなど、モバイル機として十分の通信機能を搭載した本機。この技術をウルトラブックに転用することもできる、とのことで、今後の新機種に期待が高まります。
さてロビーには、NECが1982年に発売した16bitパソコン『PC-9801』が展示されてました! 今は「OS:Windows 7 64bit」のように、64bitが主流ですね。約30年の進歩に思いを馳せつつ、米沢を後にしました。